Introduction ************ VM (View Mail) は GNU Emacs の下で電子メールを読むためのツールです。電子 メールを取り扱う他の多くのプログラムと同様、VM には返信を書くコマンドや フォルダに保存するコマンド、不要なメッセージを削除するコマンドがあります。 さらに VM 独自の機能としては、ダイジェストを作成/展開するコマンド、メッ セージの転送をするコマンドなどがあります。そして多くの機能があなたの好み に応じてカスタマイズすることができます。 VM を起動するためには単に `M-x vm' とタイプしてください。もしあなたのス プールにメッセージが届いていれば VM はそのメッセージを取ってきて"プライ マリインボックス(primary inbox)" に付け加えます。そしてその メッセージを 読むための準備をします。Note: Starting Up. 以下この Info では(つまり VM では)メッセージを保存するファイルをフォルダ (folder) と呼びます。そし てメッセージを読むために選択されているフォルダを "カレントフォルダ (current folder)" と 呼びます。 プライマリインボックスにメッセージが保存されている時には VM は最初に見つ けた新着のメッセージか未読のメッセージを選択し、プレビューします。プレビュー とは、メッセージの一部だけをまず見て ("Previewing") 、本文を読むかどうか を判断するための VM の機能です。Note: Previewing. デフォルトでは、VM は発信者、受信者、件名(サブジェクト), 日付の各ヘッダを表示します。SPC (`vm-scroll-forward') を叩くと本文を表示しメッセージのフラグを"read" (既 読) にトグルします。1 ページに収まらない時には、さらに SPC でもう 1 ペー ジ分だけスクロールし、メッセージの先を表示します。`b' や DEL では反対に 1 ページ分逆戻りし表示します。本文を最後まで表示したあと、SPC や `n' で 次のメッセージを表示します。Note: Paging. 表示されているメッセージの本文を読みたくなければ、`n' で(もしメッセージ があれば)次のメッセージに移ります。Note: Selecting Messages. メッセージをフォルダに保存するためには、`s' (`vm-save-message')をタイプ します。すると VM はミニバッファでフォルダ名を訊いてきます。Note: Saving Messages. プレビュー中や本文を読んでいる時に`d' (`vm-delete-message') を叩くと、そ のメッセージは削除されます。ですが、即座に消去されるのではなく、消去のた めのフラグ("delete"フラグ)が立つだけです。もし削除することにしたメッセー ジをやっぱり保存しようと決めた時には、`u' (`vm-undelete-message') をタイ プします。すると、"delete"フラグがトグルされ、消去は実行されません。 Note: Deleting Messages.カレントフォルダからの 消去("expunging") は `#' (`vm-expunge-folder') で実行されます。カレントフォルダから消去しても、 そのメッセージはディスク上のファイルにはフォルダが書き込まれるまで残って います。 `h' (`vm-summarize') を叩くと ウィンドウがポップアップしてそこにカレント フォルダに含まれているメッセージのサマリを表示します。サマリは、メッセー ジ 1 つにつき 1 行でメッセージナンバーの順に、メッセージの発信者・日付・ メッセージの行数とバイト数・件名を表示します。さらにメッセージナンバーの 左側に、"news/unread/read" (新着/未読/既読), "delete"(削除)フラグ等がア ルファベット 1 文字で表示されます。矢印`->' が今選択されているメッセージ の行の横にでます。Note: Summaries. メッセージを読み終ったら、選択していたフォルダはセーブしておきましょう。 (そうしなければ次回にそのフォルダを選択した時に読んだはずのメッセージが 未読のまま現れたり、消去したはずのメッセージが残っていたりすることでしょ う。) `S' (`vm-save-folder') を叩くことで、"delete"フラグの付いたメッセー ジは消去され、フォルダがセーブされます。`C-x C-s'では"delete"フラグの付 いたメッセージが消去されることなく、しかし、"delete"フラグを付けたままセー ブされます。次にこのフォルダを選択した時には、"delete"フラグを付けたまま のメッセージが見られるでしょう。 VM を終了するには `q' (`vm-quit') か `x'(`vm-quit-no-change') をタイプし ます。`q' を叩くことで VM は消去すべきメッセージを消去し、current-folder をセーブします。同時に、新着のメッセージのうちまだ読まれていないものに "unread"(未読)のフラグを付けます。`x' では`q' でなされることを全て省略し て何もしないでカレントフォルダから抜けでます。しかしわざわざ VM を終了す ることはありませんよね。メッセージを読んだら別のバッファに移ればすむので すから。 プライマリインボックスでメッセージを読んでいる時に `g' (`vm-get-new-mail') を叩けば新しくメッセージが届いているかどうか 調べられます。もし届いていれば、スプールから取り出されてプライマリイン ボックスの最後尾に付け加えられます。その時に他のメッセージを読んでいる のでなければ、最初の新着メッセージを表示します。 `vm-get-new-mail' に前置引数(C-u) を与えると、メッセージを取り出し てくるべきファイルをミニバッファで訊いてきます。この時には指定されたファ イルからメッセージのコピーはしますが、ファイルの消去はしません。