Starting Up *********** VM を起動するには次の3つの方法があります。`M-x vm', `M-x vm-visit-folder', `vm-mode' です。Emacs を起動して初めてVMが起動された時 に(どの方法であっても)、VMは (もしあれば) `~/.vm' を読み込みます。そのファ イルは `.emacs' がそうであるように、Lisp で書いてください。VM には何といっ ても 40を越える設定用変数があり、これを `~/.vm' に集めておくことで `.emacs' の大きさが減らせ、また、設定が見やすくもなります。一度起動して 読み込んだ後でも `L' をVMの動いているバッファでタイプすることにより再び 読み直すことも出来ます。 `M-x vm' とすると VM はスプールにあるメッセージを取ってきて"プライマリイ ンボックス"の後ろに付け加えます。このファイル名はデフォルトで`~/INBOX'で す。`vm-primary-inbox'という変数に設定してあるファイルを "プライマリイン ボックス"として扱います。 VM はスプールからプライマリインボックスにメッセージを入れる前に、"クラシュ ボックス" というファイルに入れます。vm-primary-inbox と同様に `vm-crash-box' に設定してあるファイル名が "クラシュボックス" のファイル 名となります。VM はまずメールスプールからクラシュボックスにメッセージを コピーし、スプールのメッセージを消去します。その後でプライマリインボック スにクラシュボックスのメッセージをつけたし クラシュボックスを消去します。 こうすることで、転送の途中でシステムや Emacs がコケても新着メッセージは スプールかクラシュボックスにはメッセージが残ることになります。同じメッセー ジが2つになるかも知れませんが、決して失われるメッセージはありません。 もしVMがメッセージを取ってくる時に `vm-crash-box' が残っていたら、VMはま ずクラッシュボックスの中身をプライマリインボックスにつけたし、それからス プールからメッセージを取ってきます。 VMは、スプールの場所がどこであるかをシステムタイプを用いて判断しています。 ですがスプールを `vm-spool-files' で明示的に指定することも出来ます。この 変数にはファイル名をリストアップすることも出来ます。つまり、複数の場所で メッセージを受け取る時にそれらの全てを指定することが可能だと言うことです。 `vm-spool-files' の値は MAILPATH や MAIL 環境変数が設定されている時には これらの値を引き継ぎます。 `M-x vm-visit-folder' (VM で `v') とするとプライマリインボックス以外のメー ルフォルダに移ることが出来ます。このとき、移る先のフォルダ名はミニバッファ できかれます。 VMは、新しいフォルダに移ると、最初の新着メッセージか未読メッセージを選 択します。もう未読のメッセージがない時には、以前読んだ最後のメッセージ を選択します。 `M-x vm-mode' で今いるバッファを VM major mode にします。そしてVMの コマンドがそこで使えるようになります。このコマンドは Lisp のプログラムで 使うのに便利でしょう。`auto-mode-alist' に付け加えておいて、ある拡 張子を持ったファイルを読み込んだ時に自動的にVMが始まるようにすることが出 来るでしょう。`vm-mode' は、非対話的な使用のために、VM の起動時に実 行する関数のうち幾つか(例えば、起動時にサマリを表示すること)に先行します。 `vm-startup-with-summary' は起動時にフォルダのサマリを表示するかどうかを 決めます。この変数が `nil' に設定されている時にはサマリは表示されません。 `t' なら全画面にサマリを表示します。その他の値が入っている時には画面を分 割し一方にサマリを、そしてもう一方にフォルダを表示します。但しこれは `pop-up-windows' の値が non-`nil' で `vm-mutable-windows' の値も non-`nil' の時にしか効きません。デフォルトでは `vm-startup-with-summary' は`nil' です。 `vm-mail-window-percentage' はフォルダとサマリを同時に表示する時にどのく らいにウィンドウを分割するかのパーセント数を与えます。Emacs にはウィンド ウサイズに下限があるのであまりに大きい値や小さい値を入れると小さい方のウィ ンドウが表示されません。デフォルトでは 75 が与えられていますがこの値は Emacs が 24行の時のウィンドウサイズの下限に収まる程度です。 `vm-mutable-windows' の値を `t' にするのを忘れていると、VM は `vm-mail-window-percentage' の値にかかわらずウィンドウの大きさを変更しま せん。 `vm-inhibit-startup-message' に non-`nil' を設定することで起動時に表示さ れる VM の著作権, 複写(copying), 無保証宣言の表示を禁止することが出来ま す。もしそうする必要があるなら、誰もがそうするようグローバルに設定するの ではなく、`.emacs'で設定してください。というのは、ユーザーは自分の権利を 知っておくべきだからです。このメッセージは起動後最初のキータイプで終了し ます。ですからメッセージを読むのを妨げたりはしません。