最近のWineは全然いけてる

Wine は Linuxer の皆様はご存知、 オープンソースの Windows エミュレータです。 Windows(っつうかMS) の存在価値なんて、 ホイールマウス(私は密かに普通の3ボタンマウスよりCoolだと思う)、 MSN Japan (以前「 ネットうろうろ 」に書いた)、それから、 2,3のゲームだけです。が、Wine にどうして期待がかかるかといえば、 Windows で動く豊富なソフトがLinux のデスクトップ上で使えるから でしょう。 でも、期待とはうらはらに、3年ほど前に試してみようと思ったのですが、 make に失敗するし(そりゃ俺が勉強不足だよ)、ドキュメント読んでも Windows3.1 をインストールしたパーティションを読めなくちゃいけない そうで(今ならWindows95でもOK)、なんだかご利益がなさそう なのでためらっていました。

でも、最近ふとしたきっかけで 最近の wine を使ってみたら、 これがなかなかいけてるんですわ。

Wine Development HQ こちらが、ご本家。ここにはバイナリ版もあって、ここから辿って行ける Dataparty のページから libc5のバイナリ(いまだに私はlibc5)である wine-02-16-99-stripped.gz をダウンロードして gunzip すると、もろに wine 本体が出来ますので、/usr/local/bin にでも放り込んでおきます。起動すると、libncurses.so.3.4がないと 怒られたので、
$ ln -s /lib/libncurses.so.3.0.0 /lib/libncurses.so.3.4
として切りぬけました。ただし当然これは英語しか通りません。

日本語化には 口西さんの日本語パッチ を使わせていただきました。 パッチに対応する本体は上記から持って来ます。基本的には Readme.jis に書いてある通りに configure ,make すれば出来ました。
私は、
$ ./configure --enable-japanese --with-kinput
make depend のあと make するときに、一箇所 ./console/ncurses.c で エラーが出て、これは Slackware+PJE0.15 という私の環境の ncurses の ヘッダーの問題で、./console/ncurses.c が curses.h をインクルードする 部分(28行目)を <ncurses/curses.h> に変更しました。 で、make install で動作を確認したあと、出来上がった wine の バイナリを
$ strip wine
で strip してやりました。

必要な設定ファイルが ~/.winerc ですが、これは上の Dataparty から 拾ってこれます。それを設定します(ということで、ソースに入ってる ドキュメントも一読しておく必要があるだろう)。 実際に私の場合は windows の入ってる ドライブ(C)の Path と Filesystem (Windows95 の4.0095なのでfat16)を書き換えるだけでした。

[Drive C]
Path=/dosc
Type=hd
Label=DOS
Filesystem=vfat


これで、 $ wine ほにゃらら.exe とすると、うまくいけばおもむろに電卓が出ます。 「ヘルプ」が半角カナなのが、懐かしいですね。 wine のお約束はソリティアですが、 私は hearts も結構好きです。 c:\windows 以下のソフトは小さいものが多いので、お試しあれ。 ただし、上のように日本語化したとき X-TT を使っていると 異様に起動が遅いです。これは私の環境の問題かも。。 ということで、上の電卓では ms-gothic ですが、他では表示フォントが 美しくないです。kill xfs-xtt してるから。

Wine といえば、「MS Office が使えるのか?」という話題になることが 多いのですが(少なくとも私はOfficeなんか使わない)、まだ無理のようです。 でも、
・無理に日本語を使わない
・ネットワークやサウンドを使わない(一部使えるようですが)
という方針でいけば、結構実用的です。 ということで、いろいろやってみたのですが、目立つところを。。

Paint shop pro スクリーンショット

いけてますね。メッセージが全部英語だから、自然だし。 ときどき、怪しげな動作(カラーパレットの表示が怪しいとか)が ありますが、画像のロード、セーブとも普通にできました。 でも、僕らには GIMPがあるし。。

Rasmolスクリーンショット

これは最高!プリントアウト以外の全ての機能が使えます。 是非、スクリーンショットを見ていただきたい。 eps で保存して gv で見ても、Linux版の Rasmol と変わりません。 、、、あれ?

Stanford Graphicsスクリーンショット

これは、Win32 版はダメだったので、3.1版を動かしてみました。 これはなかなか渋いです。このソフトはスプレッドシートを 使うのですが、快適に使えました。 ポストスクリプトに出力も出来るし、Cool だね。 gnuplot や ngraph も別に素晴らしいのですが、 グラフ作成は商用でいいのがたくさん出ているので、Linuxでも 使えたら嬉しいですね。 Origin の Win32 版も試してみましたが、ダメでした。