6. 各アプリケーションのもろもろ

★ コンソールの字がちっこい 1 〜 mgterm 編 〜

で, mgterm -f 16 とすると, フォントの大きさは 16 ポイントに なるのですが, 右側にミニアプリが出てくることには変わりません. そうすると, 一行が 60 字(半角) ということになります. 画面全体を 16 ポイントのコンソールにするためには,
% mgterm -w -f 16
とします.

これは, 何故かミニパッケージの mgterm では使えなかったのですが, mgl に含まれている mgterm を再度コンパイルすることによって, 使えるようになりました.

★ コンソールの字がちっこい 2 〜 kernel 再構築編 〜

mgterm は「ミニアプリ」の発想の面白さや, 自由なフォント設定 といった面において, 秀逸なソフトだと思います. が, 全ての表示において mgl を通しているためか(?), どうしても コンソールよりも表示速度が遅くなります. そこで, pbsd-dev ML で しのかわ様の「カーネルソースを書き換えて デフォルトのコンソールのフォントを 16x16 dot にしました」という 例を発見しまして, これや, と思い, しのかわ様に「パッチ拝見させて 下さい」とお願いしたところ, 快くパッチを送って下さいました.

80x15 文字で, この一つ上の絵と見たところ変わらないのですが, 何が違うって コンソールだということ. つまり, mgterm と同時に起動する shell と 二つのプロセス分だけメモリを常に節約できるし, この例のように less などのページャを使ったときに威力が明らかになりますが, 画面の書き換えが一瞬だということ. もっとも, コンソールメッセージなどが出力されたり(あたりまえか), 理由は判らないのですが w3m は表示が変だったりしますが (termcap の問題か→よくわからないけど 991028 版にしたら直った), nemacs は全く不自由なく使えて, さらに気のせいかスワップが減って 楽になるので, 大成功, 満足です. 画面右上のアイコンの配置も工夫されています.

まぁ, デフォルトの細長いコンソールにも味がありますし, 小さい字でも目が疲れない方にはどうでもいい情報ですが. .

もちろん, mgterm が(わしにとって)最大の威力を発揮するのは, ぞろよしさんの12x10フォントで jnethack をやるときで, mgterm と上手に使い分けるとモバモバライフもより充実したものと なるでしょう.

で, 肝心のパッチですが, わしの作ったパッチではないので, ここには置きません. が, 因みに しのかわ様は「PocketBSD と同じ配布条件で良い」と言って おられますし, 「Webページを作ろうかと思った」とも言って おられます. .

★ canna 辞書の共有

PocketBSD で canna が使えるってことは, つまり, 家の PC-UNIX でも, 仕事場の UNIX Workstation でも大型計算機でも, モバモバでも, どこでも, 同じかな漢字変換が使えるってことじゃ ありませんか. メーカー製の PDA をメーカー製の OS で使っている場合, かな漢字変換ソフトの存在 (ATOKがあるか?など) によってそのマシンを使ったり使わなかったりする 人もいるようですが, なんだかなぁって感じ. canna も辞書を鍛えれば, 充分, 自分にとって常用できる かな漢字変換エンジンになると思います. だって, 「対イオン(たいいおん)」とか 「電気複屈折(でんきふくくっせつ)」なんて, どうせどのかな漢字変換でも 一発で出てきやしないんだから.
(備考) 「日本語入力を凄くしたい」 に書かれている SKK のでかい辞書を canna で使うテクニックは良いです. canna が急に賢くなった感じがします. (最初から SKK 使えばいいじゃん, と突っ込まれると, ううっ. . . ) デフォルトの canna を使ってみただけで (PC-)UNIX の実力を侮るなかれ. ただ, この方法はメモリを食う (常時 10M くらい) ので, PocketBSD では やってません. どちらかというと, cannaserver 専用のホストを作るのが良いかと.
ということで, 各マシンで辞書も共有したい.
ネットワークに常時接続されているマシンでは, 当然, その一つで cannaserver を立ち上げて, 残りはクライアントになるわけですが, モバモバでは自前のサーバを使うため, 辞書をネットワーク上の サーバから持って来なければなりませぬ. とりあえず, 下記の 二つを持ってこれば良いかと思います.

●ユーザー辞書
$CANNALIB が, PocketBSD では /usr/local/lib/cannaですが, わしの仕事場の Solaris だと /usr/X11R6/local/canna/lib とかいう わけのわからないディレクトリになっています. ともかく, 普段 使っているサーバの $CANNALIB/dic/user/$USER にある user1.t (デフォルトのテキスト辞書)を, PocketBSD の $CANNALIB/dic/user/$USER/user1.t としてコピーしてきて, $CANNALIB/dic/user/$USER/dics.dir を以下のように編集しました.

user1.t(.mwd) -user--w-
これは, 「user1.t ってファイルを user という名前で Writable で 使用するよ」ってことです. 因みに, canna の mini パッケージを入れただけでは辞書操作関係の ツール (addwords,catdic,...) などが入りませんので注意. 必要なとき だけ母艦から持ってこればいいでしょう. それから, $CANNALIB/dic/user/$USER というディレクトリも自分で掘ります. 具体的には, わしのモバモバでは root で
ln -s /usr/local/canna/dic/user/was /usr/local/canna/dic/user/user
して, /usr/local/canna/dic/user/user 以下を was に対しても writable にしています. 辞書に登録が出来ない場合などは, dics.dir の書き方 だけじゃなくて, この点にも注意.

● .canna ファイル
そのことを canna に教えてやるのが $HOME/.canna で,

(use-dictionary
 "iroha"
 "fuzokugo"
 "hojomwd"
 "hojoswd"
 :bushu "bushu"
 :user  "user"
 )
というふうに, def を読み込ませます. 上の .canna ではついでに, 句読点を「、。」ではなくて「, . 」に変更しています. とにかく, わしは $HOME/.emacs に

;canna-touroku-region
(global-set-key "\C-x\C-t" 'canna-touroku-region)
と書き込んでおいて, 登録したい単語をリージョンで囲って 「C-x C-t」で辞書に登録しまくっています. これは nemacs でも mule でも 一緒.

canna の辞書のメンテナンスの仕方などをきちんと解説した本は 意外に少ないのですが, 「UNIX 日本語環境 松田晃一 暦本純一 著 アスキー出版局(1995)」 はコンパクトにまとまった良書だと思うので, この手の本をまだ お持ちでない方はご一読を.